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ロック界のひきこもり脱出レジェンド、ブライアン・ウィルソン(ザ・ビーチ・ボーイズ)!☺️

ブライアン・ウィルソンがひきこもった原因



内向的な性格と家庭環境、そして音楽制作上の重圧


アメリカのロックバンド、ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンは、内向的な性格や家庭環境、また、音楽制作上の重圧やドラッグの乱用などが原因でひきこもりになったといわれています。

彼は子供の頃から父親の癇癪(一説には虐待があったともいわれている)から逃れるためや、精神的な不安を和らげるためにピアノに向かったといいます。

ブライアンがピアノで音楽を奏でている時だけは、なぜか父親の癇癪も止み、満足げに彼の音楽に耳を傾けていたそうです。

ブライアンはそんな内向的な性格ですから、長じてザ・ビーチ・ボーイズで成功してからも、ある時期からはライブ活動よりもスタジオ制作に没頭するようになりました。

ブライアンがスタジオに篭って音楽制作に専念したのには、ビートルズに対抗するためという目的もありましたが。

その結果、『ペット・サウンズ』や『スマイル』などの傑作アルバムを残すことになりますが、その過程で方向性の違いからバンドメンバーやレコード会社との関係がこじれて、精神的な孤立を深めてしまいました。

またアルバム『スマイル』は、当時の音楽制作上の技術的な制約なども災いして、世間の大きな期待に反して未発表という憂き目を見てしまいました。

そんなこともブライアン・ウィルソンのひきこもりの原因の一つとされています。



マイク・ラブやレコード会社との関係


ブライアン・ウィルソンのひきこもり問題には、ビーチボーイズのメンバーで彼のいとこでもあるマイク・ラブとの関係悪化が大きく影響しています。

マイク・ラブはブライアンの曲作りに主に作詞家として参画し、ビーチボーイズの多数のヒット曲を生み出しました。

しかし、彼らの関係は『ペット・サウンズ』や『スマイル』の頃から顕著に悪化しました。

その原因の一端には、ブライアンが作詞のパートナーとして、トニー・アッシャーやヴァン・ダイク・パークスという新たな才能を外部から招いたことも関わりがあるかもしれません。

特に『スマイル』の制作中には、マイク・ラブはヴァン・ダイク・パークスと露骨に対立し、アルバム制作にも非協力的であったといわれています。

結果、そのようなバンド内の対立と、先述した当時のテクノロジーの制約が相俟って、『スマイル』は長らく未発表のままになってしまいました。

その後、ブライアンは精神的に低迷しつづけ、最も悪い時期には自殺の危機に直面したことすらありました。



ブライアン・ウィルソンはなぜひきこもりから脱出できたか?


メリンダとの出会い


ここまでとても重たい展開でしたが、後にブライアン・ウィルソンの
二人目の妻となるメリンダと出会いが、彼がトワイライトゾーンから帰還するための明るい兆しとなりました。

ここまでで『スマイル』の挫折から二十年ほどの年月が経過してブライアンは中年に差し掛かっていましたが、メリンダはまさに、ブライアン・ウィルソンにとっての「心の安全基地」となりました。

彼女との出会いと結婚は、ブライアンの精神面や生活面だけにとどまらず、音楽面でもポジティブに作用しました。

メリンダとの出会いのエピソードは後に『ラブ&マーシー 終わらないメロディ』として映画化もされましたが、彼女以外の人物との交流も、ブライアンがひきこもりから回復する上で重要な役割を果たしました。



友人との関係


例えばセッションドラマーのハル・ブレインはブライアンと長く親交を持ちつづけていたことが知られています。

彼は音楽的なパートナーであるとともに、友人でもありました。

また、ブライアンの音楽の表舞台への復帰という意味では、ヴァン・ダイク・パークスが大きな役割を果たしたと思われます。

ヴァン・ダイク・パークス
は、例の『スマイル』の共作者でもあり、その挫折をともに味わった仲でもありました。

彼らはお互いに音楽的な影響を与え合う関係であり、その後もずっとアルバムを共同制作する等の関係がつづいています。

よって、ブライアンがひきこもりから脱出できた主な要因として、妻のメリンダが与えてくれた精神的な安定(心の安全基地)と、ハル・ブレインやヴァン・ダイク・パークスら友人がもたらしてくれた、音楽界や社会とのつながりが挙げられます。

また、ブライアン自身が持ちつづけていた、音楽による自己表現への情熱と、頭の良さ、才能、粘り強さ、『スマイル』完成への執念も大きく作用したはずです。



ブライアン・ウィルソンに学ぶひきこもり脱出


小さなことから始めてみる


私たちが就労を目指す際にも、とりあえずは大きな会社に就職して遅れを一気に挽回しよう等の虚栄心を捨てて、自分に合った仕事から始めてみることが大切です。

ブライアン・ウィルソンも、ひきこもっていた頃はロックスターである見栄を捨てて、健康食品店を開いて自ら接客もしていたこともありました。

最近ではリモートを活用して在宅でできる仕事もありますので、外の仕事と家でできる仕事を上手に組み合わせて収入を安定させるのも一つの手です。



まとめ


長期間のひきこもりから抜け出すことは難しいことかもしれませんが、ブライアン・ウィルソンの事例は、私たちに希望を与えてくれます。

以下に、ブライアン・ウィルソンのひきこもり脱出過程をまとめてみました。


・メリンダという素晴らしい女性と出会うことで、心の安全基地を得た

自己表現の重要性を認め、仲間や社会とのつながりを得た

・ビーチボーイズという精神的な呪縛から開放され、マイク・ラブとの関係が悪化した後はソロで活動した

大きな理想は持ちつつも、とりあえずは社会に馴染むために小さな課題から取り組み、一人で頑張らずに仲間に頼った

生き直し学び直しの重要性を自覚し、失敗したことへの再挑戦をした

自分がやりたいと思うことがあるならトラウマとも対決する

・自分だけの個性を活かした


以上のことを参考に、私たちもひきこもりから脱出してみましょう!



おまけ


最後につけ加えておきますが、ブライアンは結局『スマイル』を完成させて発表しました。

しかも、ブライアンバージョンとビーチボーイズバージョンの二つもです!

ポジティブなメッセージに溢れた素晴らしいアルバムですので、興味を持たれた方は、是非聴いてみてくださいね。



The author of this article is Tomohiro, a Japanese Hikikomori Escape Guide.


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