自分を変えるのはとても大変
生前の河合隼雄先生も仰っていたように、自分が変わるということは、とてもとても大変なことなのです。
それは世界中を変えなければならないくらいに難しいこと。
心理臨床家としての河合隼雄先生はときどき、自分を変えるなんて「そんな大変なこと、やめたらどうですか」とクライアントに仰っていたそう。
そんな大変なことをせずに、今の自分を受け入れて生きたらどうですかと。
なぜなら、自分を変えることにものすごいエネルギーを使ってしまったら、あなた本来の活動をするエネルギーがなくなってしまうでしょうと。
そういうふうに河合隼雄著『心の読書教室』(新潮文庫)という著書の中で仰っています。
内向的性格と外向的性格
これは、ひきこもり当事者にとっても示唆に富んだ発言です。
ひきこもり当事者には、自己表現手段とか自立のための収入手段は是が非でも確保してほしいですが、だからといって、ひきこもり的な素質そのものを一から変えてしまうのは、とても大変な事なのかなと。
考えてみたらそんなの難しいですよね?
内向的な人がいきなり明石家さんま師匠みたいに、外向的なお笑いぶっちゃけ人間にはなれませんから。
また、なる必要もないでしょう。
自分はオモロイと思い込んでる、はた迷惑な芸人気取りのシロウトほど痛いものはないです。
無理なものは無理です。
変えるとしたら、それこそ宇宙を変えるくらいの無限のエネルギー消費を伴います。
まずは母性原理=グレートマザーの呪縛から逃れよう
つまり、どうせ生きるのは大変だし、稼ぐのも大変なら、基本的な性格を変えてしまおうとか、無茶な自己変革などに余計なエネルギーを使うよりは、現在の素質を生かして大きな目標に向かって努力した方が遥かに効率がいいのではないかと。
自己変革と言っても、社会とつながるとか自己肯定感を上げるとかなら、もちろん取り組みましょう。
でも、内向的な性格を、正反対の外向的な性格に変えようとかいうのは無茶ですし、ほぼ無駄な努力でしょう。
ひきこもり脱出だけでも、母性原理=グレートマザーの支配という、快適圏というか蟻地獄というかから抜け出すのはとても大変なのです。
ひきこもりの素質を最大限に生かし、飛躍する
私たちのようにひきこもってしまうような内向的な人でも、100%内向的などということはないので、少しはある外向的な部分を生かす等が考えられます。
誰でも少しはさんま師匠や志村けんを気取りたい願望があるでしょう。
その一方で、「地」の部分のである内向的な性格を生かして、外向的な人には真似できないような、緻密な職人的な仕事をしていくこともできます。
それと、これからは人工知能(AI)に面倒な仕事を任せたり、頼れる相棒として活用していく道も大きく開かれています。
余談ですが、例えば、藤井聡太君があのような偉業を達成したのも、子供の頃からAI将棋ソフトでトレーニングしていたからなんです。
そういうふうに私たちの既存の素質を生かし、またテクノロジーも活用し、その分、夢は大きくというのがいいのではないでしょうか。
時代のニーズは、雑務はテクノロジーに任せて、人間たちは自分たちのしたいことの世界に「閉じこもる=ひきこもる」方向に確実に進んでいきそうです。
ですから、私たちひきこもり界隈の人間は、時代の先端を行っているんだという自負を持ち活動していきましょう!
The author of this article is Tomohiro, a Japanese Hikikomori Escape Guide.
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